2012年6月4日月曜日

茨城県 霞ヶ浦流域のセシウム 下流に移行して濃縮される 備前川岩田橋付近9,980ベクレル

茨城新聞
2012年6月4日(月)
下流に移行し濃縮 霞ケ浦流域土壌セシウム、市民団体が報告会 土浦 

東京電力福島第1原発事故で霞ケ浦流域に降下した放射性セシウムの濃度を調べている、市民団体「いのちの水・霞ケ浦を守る市民ネットワーク」は3日、土浦市沖宿町の県霞ケ浦環境科学センターで2回目の報告会を開催した。
4月に調査した備前川(土浦市、延長4・3キロ)15地点の川底・岸の土壌の分析データを発表。3月の結果と比較し、高濃度の放射性物質が下流に移動している事実を確認した。市民約80人が参加し熱心に耳を傾けた。

備前川小松橋付近の川岸で3月8日に調査した土壌1キログラム当たりの放射性セシウムは、9550ベクレルだったのに対し、4月25日の調査では6260ベクレルに低下していた。約700メートル下流の岩田橋付近の川岸で土壌1キログラム当たり9980ベクレルを記録し、放射性物質の下流への移行と濃縮を裏付けた。

報告会の講演で、元県内水面水産試験場長の浜田篤信さん(76)が今後予想される湖底土壌の放射能の高まりで、ウナギやワカサギなど霞ケ浦の沿岸漁業が危機に直面する可能性を指摘。「平安、鎌倉時代から続いてきた漁業がつぶれていいのか」と、行政に早急な対策を求めた。

同ネットは、NPO法人アサザ基金(飯島博代表理事)や霞ケ浦の再生を考える会(代表・助川弘之前土浦市長)などで構成。県に霞ケ浦での共同調査や放射能対策などを求めて、署名活動を行っている。

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