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福島沖の魚介類、放射性レベル下がらず 国際調査
2012年10月26日 18:23 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月26日 AFP】福島沖で獲れた魚介類に含まれる放射性セシウムの濃度は、原発事故から1年半が経過した後も下がっていないと指摘する米ウッズホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic Institution、WHOI)の調査論文が25日、米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された。
WHOIの海洋化学者、ケン・ブッセラー(Ken Buesseler)氏は、日本政府の公式データを基に、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の沖合いで獲れた魚介・海藻類の放射線レベルを調査。依然としてセシウム濃度が高い理由として、福島第1原発から低レベルの放射能漏れが起きているか、汚染物質が海底に堆積している可能性があると結論付けた。
2011年から国際調査チームを率いて福島第1原発による放射能汚染状況を船で調査してきたブッセラー氏は、福島沖で獲れた魚介類の40%は日本政府の放射性セシウム基準値に照らして消費用として適さないと試算している。だが同氏はまた、時の経過とともに汚染状況がどのように変化していくかを予測するには、魚介類の調査だけでは不十分だとも指摘している。
「本当に必要なのは、福島沖でわれわれが目にしていること(魚介類の汚染)の原因となっているセシウムなどの放射性物質の出所や、汚染堆積物について、よりよく理解することだ」(ブッセラー氏)
研究によると、検出されたセシウムの濃度は魚の種類によって異なるが、海底近くに生息するいわゆる底魚で最も高かった。また、汚染レベルに差はあっても、全ての魚介類でセシウム濃度は下がっていなかったという。
一方、東北沖で獲れた魚介類の大半は、食べても心配のないレベルのセシウム濃度だったと研究チームは強調している。
ブッセラー氏は東京大学(University of Tokyo)の植松光夫(Mitsuo Uematsu)教授とともに、11月12日から2日間の日程で都内で開かれるシンポジウムで今回の調査結果を発表する予定だ。(c)AFP
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