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東日本大震災:福島第1原発事故 脱原発社会実現へ研究所 東北芸工大が国内初、京都の姉妹校ときょう設立 /山形
毎日新聞 2012年10月27日 地方版
東京電力福島第1原発事故を受け、東北芸術工科大(山形市)は姉妹校の京都造形芸術大(京都市)と共同で、脱原発社会の実現を模索する研究機関「文明哲学研究所」を27日に設立する。東北芸工大は「核廃絶と世界平和」を大学開学時から掲げており、原発事故をきっかけに原発なしでも現代社会を維持するための道筋を示す研究に取り組む。東北芸工大によると、国内の大学初の取り組みという。来年4月からの本格稼働を目指し、今後スタッフの人選や具体的な活動内容を詰める。
東北芸工大によると、研究所長に高畠町出身で月刊誌「MOKU」の井原甲二主筆を内定。顧問として元国連事務次長の明石康氏、前京大学長の尾池和夫氏、反原発で知られる京大原子炉実験所の小出裕章助教が参加することも内定した。映画監督の山田洋次氏や作家の大江健三郎氏も趣旨に賛同し、外部から支援していくという。研究所本部は京都造形芸大に置く。
「核廃絶と世界平和」▽「地球環境問題」▽「宇宙及び生命」(宇宙誌・生命誌)▽「比較文明文化」(人類史・文明史)▽「藝術立国構想」の5専門家会議の研究体系を設け抜本的対策を模索する。
両大学の徳山詳直理事長は核を「現代文明が生み出した最大の悪魔」とした上で「制御不可能な科学技術が生み出した核廃絶なくして新たな文明への道は拓(ひら)けない」と平和利用も含めた反原発への決意を宣言する。東北芸工大の坂元徹常務理事は「研究で得たものを教育現場にも還元することで学生にも伝えていきたい」と話している。【浅妻博之】
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