読売新聞
維新パー券「売れない」 人気に陰り
日本維新の会が6月6日に東京都内で、結党後初の政治資金パーティーを計画している。地域政党・大阪維新の会としては2010年以降3年連続で大阪市内で開いており、大阪以外では初めてだ。夏の参院選に向けた選挙資金を集める狙いだが、支持率が伸び悩むなか、パーティー券の売れ行きを心配する党側が所属国会議員に〈販売ノルマ〉を課す事態となっている。
今回は都内の高級ホテルで開催。6月23日投開票の都議選と、参院選に向けた決起集会と位置づける。橋下、石原両共同代表が、「維新の会が目指す日本」と題した対談を行う。
大阪維新の会は、過去3回のパーティーの度に売り上げを伸ばしてきた。所属地方議員が後援者などに1枚1枚手売りしてきた。
今回は松野頼久・国会議員団幹事長名で所属国会議員に販売ノルマを通達。パーティー券は1枚2万円で、割り当ては「原則として当選回数×20枚」だ。たとえば、新人議員なら、40万円分となる。
割り当てを上回った場合、売り上げの一部を政治資金として国会議員にキックバックする「出来高制」も導入した。橋下氏や松井幹事長ら、国会議員でない党三役はノルマの対象外となる。
ここにきて、橋下氏のいわゆる従軍慰安婦問題などを巡る発言が、売れ行きに影響を与えている。
大阪府内選出の衆院議員は、「維新人気に陰りが見え始めたところに、橋下代表の発言が飛び出し、有権者の反応は厳しい。大阪と違って、東京では、橋下代表の名前だけでは売れない」と嘆き、自腹でノルマ分を買い取るという。
大阪維新の会の地方議員からは「政治資金の集め方が、これでは既成政党と変わらない。維新らしさが失われている」との批判の声も上がっている。
自民花盛り「政権復帰を実感」、民主は苦境「開けるかどうか」
3年ぶりに政権に返り咲いた自民党では、参院選に向け、派閥単位のパーティーが花盛りだ。野党時代の5割増しの来場者が集まるケースもある。
同党大阪府連は20日、細田博之幹事長代行を招いたパーティーを大阪市内で開き、予想の7割増しとなる約1700人が駆けつけた。府連幹部は「安倍人気のおかげ。与党に復帰したことを実感できた」と喜ぶ。
ただ、府内では、党の大阪府議や大阪市議らが大阪維新の会に大量に移籍した後遺症で、パーティー券の「売り手」が不足していたという。同党衆院議員秘書は、「衆院選の大勝で全国の自民党は活気づいているが、維新の会が強い大阪では、党が苦しい状況に変わりはない。パーティー券の大半は企業に買ってもらった」と漏らす。
一方、民主党大阪府連は、毎年秋にパーティーを開いており、参院選前の開催予定はない。衆院選で大阪府内小選挙区で落選した同党の前衆院議員は、「野党に転落した党のパーティー券をわざわざ買ってくれる人は少ない。例年通り、秋に開催できるかどうかすら、わからない」と語る。
参院選の資金について、同党府連関係者は、「党本部から交付金が入るし、これまでのパーティー収入も積立金として残している」と明かすが、参院選は全国的に苦戦が予想されるだけに、「積立金を思い切って使うしかないだろう」と話している。
政治資金パーティー 政治資金規正法に基づいて、政治団体が参加者から会費を徴収して開催するパーティー。収入から経費を差し引いた「収益」を政治活動に使うことができる。利益率が9割を超えることもあるという。
(2013年5月22日 読売新聞)
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