従軍慰安婦問題:元慰安婦と面談中止 「おわびで収拾」失敗、橋下氏誤算 維新大打撃
毎日新聞 2013年05月25日 東京朝刊
日本維新の会の橋下徹共同代表と元従軍慰安婦の韓国人女性の面談が24日、中止になり、元慰安婦に低姿勢で接する橋下氏の姿を印象づけたかった維新側のシナリオはつまずいた。さらに、維新の所属議員が同日、橋下氏との面談を中止した元慰安婦をツイッターで批判。維新のイメージ回復は一層遠のく事態になっている。
元慰安婦の支援団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」は24日、大阪市内で記者会見し、元従軍慰安婦2人による声明を発表した。声明では、橋下氏の「(慰安婦は)必要だった」との発言を「犯罪に等しい妄言だ」と批判。この発言の撤回と公式謝罪を求め、政界引退まで突きつけた。
だが、維新側が当初描いていたのは▽24日に元慰安婦に謝罪するなど低姿勢を強調する▽27日の日本外国特派員協会の講演で「国家として強制連行した証拠はなく、日本だけを非難するのは違う」と訴える−−という「2段構え」のシナリオだった。
とりわけ維新側は元慰安婦との面談を重要視していた。党内には、対立する当事者と公開の場で会い、問題を収める橋下氏の手法への期待があったからだ。維新幹部は「会って直接説明すれば雰囲気を変えられる」と語っていたが、中止になり、「浮上のきっかけを失った」(若手議員)と失望の声が上がった。
橋下氏は今回の面談にあたり、党幹部らに「賠償責任と道義的責任の間の『法的責任』を考えたい」と伝え、「法的に解決済み」と繰り返した政府見解を超えた責任のあり方を示す意欲まで見せていたが、その機会も失われた。橋下氏は24日、「法的責任」を表明するとの報道を打ち消したが、責任のあり方に関しては「知恵を絞らないとならない」と述べ、配慮を探る姿勢を示した。
◇「化けの皮剥がせず」 ツイッターで中山成彬氏
維新の中山成彬代議士会長は同日、ツイッターで、元慰安婦の面談中止について「面談を申し入れて来たのもこれまで政治利用してきたのも先方側だった。橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのを怖(おそ)れたか? 化けの皮が剥がれるところだったのに残念」と批判。維新は世論対策で足並みをそろえられず、迷走を続けている。【高山祐、阿部亮介】
元慰安婦と橋下市長の面会が急遽中止になった。支援団体側は、二人とも会いたくない、政治利用される心配もあると説明しているが、面談を申し入れて来たのもこれまで政治利用してきたのも先方側だった。橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのを怖れたか?化けの皮が剥がれるところだったのに残念。
— 中山なりあきさん (@nakayamanariaki) 2013年5月24日
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