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付加価値税率の引き上げ撤回=前政権の決定覆す―仏
時事通信 7月4日(水)21時4分配信
【パリ時事】フランス政府は4日、2012年補正予算案を閣議決定した。財政赤字削減目標の達成に向け、富裕層や企業への課税強化を中心に72億ユーロの税収増を盛り込む一方で、サルコジ前政権が雇用対策として10月からの実施を決めていた付加価値税(消費税に相当)の引き上げは撤回する。
サルコジ前政権は現行19.6%の付加価値税率を10月1日から21.2%に引き上げ、増収分を社会保障の雇用主負担軽減に充当すると決定。2月に関連法案が成立した。これに対し、5月の大統領選決選投票でサルコジ氏を破って当選したオランド現大統領は、選挙戦で付加価値税率の引き上げ撤回を公約していた。
REUTERS ロイター
フランスがGDP見通し下方修正、歳出削減迫られる可能性
2012年 07月 4日 03:03
[パリ 3日 ロイター] フランスのエロー首相は3日、2012年と13年の国内総生産(GDP)伸び率に関する政府の公式予想を下方修正した。政府は来年、一連の歳出削減を迫られる可能性がある。
新たな見通しは2012年が0.3%と、前政権が予想していた0.7%から引き下げた。2013年も1.75%から1.2%に引き下げた。
首相は議会で「2012年予算が歳出を過少に見積もり、歳入を過大に見込んでいることは分かっていた。会計検査院の報告で懸念していたことが確認された」と述べ、「状況は深刻だ」との見方を示した。
フランス会計検査院は2日、国内経済が低迷していることから、オランド政権は財政赤字削減目標を達成するために2012年は60億―100億ユーロ(76億―126億ドル)、2013年は330億ユーロの節減策を講じる必要があると指摘した。
エロー首相は、オランド政権として全面的な歳出削減よりも景気刺激を重視する形で問題に対処すると言明。教員や警察官の採用拡大、国家が支援する形での15万人の雇用創出、競争力のある産業の振興など、オランド大統領の選挙公約の内容を確認した。
また、産業革新を支援するため、公的な投資銀行を年内に設置する考えを明らかにした。
10月から実施される予定だった付加価値税(VAT)の税率引き上げを撤回する考えをあらためて示し、100万ユーロを超える年収を対象に75%の税率を新たに導入する一方、中低所得者層に対する増税は行わない方針も確認した。
エロー首相は、政府が歳出削減への反対を撤回するとの見方は否定したものの、会計検査院の報告を踏まえると、来年は大規模な歳出削減が不可避となる可能性がある。
フランスの格付けはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が1月に最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げており、他の格付け会社も財政赤字削減目標の達成に向けた新政権の取り組みに注目している。
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