2012年7月25日水曜日
7月16日意見聴取会における中部電力社員の意見全文。
7月16日意見聴取会における中部電力社員の意見全文。
記録的意味合いから
きっこさんのブログ「みんな楽しくHappyがいい」の当該記事(↓)をコピーさせて戴く。
エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会 7/16[名古屋会場]中部電力社員の意見全文書き出し(動画あり)
エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会 [名古屋会場]
2012年7月16日
それでは、意見番号3番の方は20~25シナリオについ意見表明と伺っております。
では3番の方、よろしくお願いいたします。
中電 原子力部 課長級の岡本道明さん(46):
はい、名古屋市在住の岡本と申します。
え、職業ですけれども、中部電力に勤める会社員でございます。
えー、ですが、本日は個人として意見を述べさせていただくために参りました。
え、よろしくお願いいたします。
えー、今ご紹介がありました通りわたくしは、え、20~25%シナリオを選択してございます。
え、今回のように原子力発電の必要性についての論議になりますと、
たいてい安全か経済かの、え、二個対立になることが多くございます。
ま、具体的には、え、「経済成長よりも安全や命の方が大事です」というような論調になります。
しかし私はこの二つを全く別のものだとは考えておりません。
え、世界では、え、貧困で亡くなっていられる方が多数いらっしゃいます。
えー、薬や医療技術があっても、えー、救えないと、
お金がないために救えない命というものが沢山あります。
え、以前、「おにぎりが食べたい」と言って亡くなった方がいらっしゃいました。
これも経済が回って、地域にお金が行きとどいていれば、救えた命ではないかと私は思っております。
え、昨年の、え、福島事故でもそうだというふうに考えています。
えーー、放射能の直接的な影響で亡くなった方というのは、え、一人もいらっしゃいません。
それが、今後、5年10年経っても、この状況は変わらないというふうに考えています。
・・・・
・・・・
あのー・・
いや、中部電力であることは事実です。
しかしこれは疫学のデータから見たらまぎれもない事実です。
それは5年10年経てば分かります!
えー、続けさせていただきます。
えー、じゃあ実質的な福島事故の被害ってなんでしょうか?というと、
これは警戒区域等を設定する事によって、
家ですとか、仕事を失ってしまったり、
あるいは、風評被害ですとか、過剰な食品基準値の設定によって、
せっかく作った作物が売れなくなってしまったりと、
こういう事によって、先行きを悲観して、
えー、自らの命を絶たれてしまったりですとか、
え、体調を崩してしまったりですとか、
えー、生活が立ちゆかないという事が発生しております。
これはまさに経済的な影響が、安全や命を犯してしまった例であるというふうに私は考えています。
私は経済的なリスクが、
命や環境の安全リスクに繋がることとして捉えられていないということを強く懸念しています。
経済が冷え込んで、消費が衰退して、企業の国際競争力が低下してしまえば、
福島事故と同じ事、あるいはそれ以上のことが日本全体で起こるというふうに考えています。
そういう視点で、
私たちは各シナリオのリスクが、どれだけ共有されているかという事を問いたいと思います。
え、放射能の影響に対する過剰反応で、脱原発の論調が席巻されております。
しかしながら、報道されている内容に偏りはないでしょうか?
えー、経済的なリスクを安全に無関係だというふうにして、最初から切り捨ててはいないでしょうか?
わたくしは各シナリオのリスクを全て理解したうえで、
国民がそのシナリオを選択するならば、それは仕方がないというふうに考えています。
でも、それで本当にやっていけるでしょうか?
私は無理だと思っています。
たとえば、再生可能エネルギーのリスク認識、これがどれだけ共有されているでしょうか?
一般的には天候に左右されるですとか、あるいは出力が低いですとか、
電力系統が不安定になるですとか、
こういった問題は、えー、共有されているように感じます。
しかし、もっと見逃せない問題がございます。
それは、お金の問題です。
たとえば太陽光発電になりますけれども、
えー、0%シナリオの場合、
先程の方もちょっとございましたけれども、
昭和55年以降に建築された一戸建て。
1200万戸すべてに太陽光パネルを設置しなければならない。
しかも、このうち200万戸は、えー、パネルを乗せたら潰れてしまうので、
改修が必要な住宅になってくる。
これは資料にあった通りです。
この設置や改修に必要な費用というのは、先程もございましたけれどもだれが負担するんでしょうか?
みなさんそれをご自分で負担するという覚悟はございますか?
もちろん払えない人もいるでしょう。
そういう方達は、国が補てんして下さるんでしょうか?
それは結局税金としてかえってきたりとか、
あるいは、900兆円を超えると言われている国債に、これにさらに上乗せをして、
結局将来の子供や孫たちのために、への、ツケとして残ってしまうという、
こういうことになってしまいます。
それとも電力会社に払わせるという事を考えるのでしょうか?
しかしそれは電気料金として、結局みなさんのところへ返ってくることになります。
そういう覚悟はあるでしょうか?
えー、設備は永遠に使われると思われているでしょうか?
太陽光パネルの寿命は、えー、20年というふうに言われています。
あるいは周辺機器の寿命は10年というふうに言われています。
ということは10年、20年のスパンでこれらを廃棄して、
あるいは再設置すると、こういう事をやっていかなければならないのです。
風力発電はどうか?と言っても、
同じように19兆円ものコストがかかります。
えー、経産省の試算では0%シナリオを選択した場合には、
家庭の電気料金が最大2.3倍になるというふうに言われています。
えー、10%値上げをするという事ですらあれだけの大きな反響があるのに、
それができるんでしょうか?
えー、企業はもっと大変です。
電気料金が1000万円とか1億円とかかかっている産業はざらにあります。
それで国際競争ができていくんでしょうか?
電気をこまめに消すとか、冷房を扇風機に変えるとかで、
えー、何とかなるというレベルではないという事を御認識いただいてですね、
もっと困ったことがあります。
それでは、お金では解決できないという問題です。
えー、太陽光発電の場合新宿の住戸にこれから全て太陽光パネルを付けることを強制したとしても、
2030年に付けられるのは600万戸程度です。
つまり目標の半分。
この差をどう埋めるんでしょうか?
風力の場合は、えー、東京都の2.2倍の敷地が必要と。
そんな広大な土地をどうやって買収するんでしょうか?
そういうメドは立っているんでしょうか?
地熱発電の場合は自然公園ですとか、温泉地の近郊に建てることになります。
これは自然公園を破壊したりとか、
温泉のお湯が出なくなってしまって、温泉を廃業しなければならないと、
そういうリスクがあることをみなさん認識を頂いているでしょうか?
水力はどうでしょうか?
もう開発の余地はありません。
つまり再生エネルギー35%というのは最初から破たんしたシナリオになっています。
結局頼っていくのは火力発電ということになります。
現在どうなっているかというと、
毎日100億円、年間3兆円の資本が火力発電の燃料費として
海外に流出していることをみなさんご存知でしょうか?
もちろん電力会社の経費を節減せよというご意見もあるでしょう。
しかし、火力発電のコストというのは、大半が燃料費なんです。
ですから、電力会社の人件費をゼロにしたところで、
事態はほとんど変わらないという事をご存じでしょうか?
もっと困るのはお金で解決ができない問題です。
今年の初めのようにイランとアメリカがもめて、ホルムズ海峡が封鎖されることが現実になったら、
LNGの2割とか、石油の9割がストップしてしまう。
そうなったらお金をもういくら積んでもダメだということです。
私はとても無理だと思います。
省エネで頑張るという意見もありますけれども、ストーブが販売禁止になるとか、
ガソリン自動車がサカイヤイキ?に乗り入れできないとかいったことを本当にやる気があるんでしょうか?
日本国民の全員にこれが徹底できるんでしょうか?
私は出来ないと思っています。
最後に、公平のために、20~25%シナリオにもリスクがあるという事を申し上げて
話を終わりたいと思います。
ただしそれは原子力のリスクではありません。
再生可能エネルギーを23~30%に引き上げるという、前提が入っているというリスクです。
これは15%シナリオにも言える事なんですけれども、
程度の差こそあれ、財政負担ですとか、せきす・・え、スケジュールが困難であるということ、
用地の買収が不可能であるとか、そういった抱えているものの問題は0%シナリオと同じなんです。
つまり、このシナリオも破たんしたシナリオなんです。
結局最後は火力発電に依存して、中東の情勢が不安なのを、えー、
ヒヤヒヤしながら高い電気料金を払い続ける。
こういう結末は変わらないんです。
わたくしは
35%シナリオがあれば、35%。
45%シナリオがあれば、45%を選択しておりました。
それは、
その方が安全だからです。
提示された選択肢というのは他のリスクに比べて原子力のリスクを過大に評価していると思います。
えー、このままでは日本は衰退の一途をたどると思います。
えー、国民の皆様の冷静なご判断を望みたいと思います。
以上です。
ーーーー
(きっこさんの感想)
全部書きだしてみて、
原子力に関してのリスクはないと彼がハッキリ言ったことに驚きました。
福島第一原発の事故は原発のリスクではなく、
自殺された方や避難されている方の苦しみも
その原因は、政府の避難区域の設定と風評被害、高すぎる食品の基準であり、
原子力発電所がばら撒いた放射能とは、全く関係ないようです。
非常にゆがんだ思考回路をじっくりと文字起こししてさらに実感することができました。
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