NHK
海水でもトリチウム濃度が上昇
6月24日 21時13分
福島第一原子力発電所で、海に近い観測用の井戸の地下水から放射性物質のトリチウムなどが高い濃度で検出された問題で、原発の専用港で採取した海水でもトリチウムの濃度が上昇していることが分かりました。
トリチウムの濃度は、同じような時期に上昇していることから、東京電力は、地下水が海に流れ出た可能性も否定できないとみて調べています。
福島第一原発では、2号機の海側にある観測用の井戸で採取した地下水から、先月下旬から今月にかけて、放射性物質のトリチウムとストロンチウムが、国の海への排出基準を上回る高い濃度で検出されたことが今月19日に明らかになりました。
東京電力で海のトリチウムの濃度を調べたところ、原発の専用港にある取水口の北側で、ことし4月までの1年ほどは1リットル当たり100ベクレル程度で推移していたのが、今月21日に採取した分で1リットルあたり1100ベクレルと、10倍ほどに上昇していました。
これは海への排出基準値の50分の1以下ですが、地下水と同じような時期に上昇していることから、東京電力は地下水が海に流れ出た可能性も否定できないとみて調べるとともに、海側の護岸の地盤を薬剤で固めるなど、井戸の水が海に漏れ出すのを防ぐことにしています。
東京電力は「濃度が上昇した原因は分かっていない。海で行っている調査やこれから行う地下水の調査のデータを詳しく分析し、判断したい」と話しています。
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