インドネシア、工業団地でデモ 日系工場操業停止も
2012/10/3 20:23 (2012/10/4 1:13更新)
【ジャカルタ=渡辺禎央】インドネシアの複数の工業団地で3日、労働者による大規模なデモが起きた。非正規従業員の正社員化などを訴えるデモが80カ所以上で一斉に発生。一部でストも起き、操業を停止した日系工場もある。アジア有数の経済成長を背景に日本企業の進出も続くなか、待遇改善などを求める声に企業は対応を迫られている。
デモやストは、ジャカルタ近郊で日系工場が7割以上を占める複数の工業団地のほか、外資系工場が集積するバタム島などで発生。労働組合連合による200万人超を対象としたゼネスト呼びかけに応じたもので、国家警察によると約75万人の労働者らが参加した。
ホンダ(二輪車)やパナソニック、KYB、関西ペイント、川崎重工業などは工場の操業を停止。ただ、治安当局が1万5千人超の警官隊を配備して警戒した結果、大きな衝突もなくデモやストは夕方までに終了した。
デモ隊の多くは、業務の外部委託の廃止と、正社員化による福利厚生の改善を要求。要求が受け入れられない場合、今後も断続的にデモを実施する方針という。
インドネシアの労働法では、製造工程の基幹業務で業務の外部委託を禁じている。ただ「基幹業務」の解釈に幅があるため、労使の対立につながっている。イスカンダル労働・移住相は3日、「近く正社員化を促すための新規則を発表する」と表明。業務外部委託を利用しにくくなれば、製造業を中心に進出を加速してきた日系企業にとっては事業の採算リスクが高まりそうだ。
インドネシアでは年末に向け、来年の最低賃金の引き上げを巡る労使のつばぜり合いも激しさを増しそうだ。ジャカルタ近辺の労働者は6割超の賃上げを求めるなど、要求が先鋭化している。
MSN産経
インドネシアでゼネスト 賃上げ要求、日系影響も
2012.10.3 07:51
インドネシアの主要な労働組合は3日、最低賃金の引き上げ、派遣労働や請負労働の禁止などの要求を掲げ、各地でゼネストを行う。
労組幹部は200万人以上が参加する見通しだとしている。多数の日系工場が集まる首都ジャカルタ郊外の工業団地でもストの予定があり、生産活動への影響が懸念されている。
日系企業やインドネシア経営者協会はストの過激化を懸念。経営者協会は警察当局に対し、警備に万全を期すよう要請した。
ジャカルタ郊外の工業団地などでは今年1月、最低賃金の引き上げを求める労働者らによる1万人規模のデモが発生、多くの工場が一時的な操業停止などに追い込まれた。デモ隊は高速道路を占拠し、物流にも影響が出た。(共同)
毎日JP
インドネシア:200万人スト…日系企業も操業停止
毎日新聞 2012年10月03日 19時54分(最終更新 10月03日 22時01分)
【ブカシ(インドネシア西ジャワ州)佐藤賢二郎】インドネシアで3日、全国規模のゼネストが行われ、労働組合によると全国21の県・市で200万人が参加した。日系企業を含む多くの工場が操業停止に追い込まれるなど大きな影響が出た。
労組側は、派遣・請負労働の制度廃止や最低賃金の引き上げ、社会保障制度の拡充を求めている。
首都ジャカルタ近郊では60万人が参加。日系企業が集中する西ジャワ州ブカシ県の工業団地では労働者が「戦え、労働者!」と叫びながらデモ行進した。
日系電機メーカーで派遣社員として働くデウィさん(20)は月収180万ルピア(約1万4700円)。「正社員より50万ルピアも少ない。食費と家賃で消えてしまう」と話した。中国系ガラス工場に勤務するハリディティオさん(31)は「成長の恩恵を受けているのは金持ちだけ」と語った。待遇改善に消極的な一部外国企業への反発も高まり、労組メンバーがマイクで「我々は中国や日本(企業)の奴隷として働かされている」と訴える場面もあった。
インドネシアでは、所得格差の広がりに工場労働者らの不満が高まり、賃上げを求めるデモが頻発している。
ゼネストに参加し、工業団地に向かってバイクでデモ行進する労働者ら
=インドネシア・西ジャワ州ブカシで
2012年10月3日、佐藤賢二郎撮影
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