沖縄タイムス
米議会 オスプレイ調査検討
2012年6月29日 09時46分
【平安名純代・米国特約記者】相次ぐ垂直離着陸輸送機オスプレイの墜落事故を受け、米議会が同機が配備されている各基地の保有数や機体の状況などを調査することを検討していることが28日までに分かった。大幅な国防予算削減方針の下、事故が頻発する同機の現状を調査することで事故率など安全性に関するデータを精査し、維持費などを明確にする狙いもあるとみられる。複数の議会筋が本紙の取材に対して明らかにした。
議会筋によると、2009年に海兵隊仕様のMV22オスプレイをめぐり、議会が予算を承認した調達数と海兵隊の保有数が大きく隔離。議会が08会計年度(07年10月~08年9月)までに予算を承認したのは126機分で、そのうち12機は事故や故障などの報告がされていたため、議会側は海兵隊の保有数を114機とカウントしていた。
しかし、09年会計年度の米海兵隊航空計画には同機の保有数は71機と記されていた。そのため、米会計監査院は、保有数に含まれていない43機分のデータ詳細の開示を要請。しかし、海兵隊側が応じなかったため、下院監査政府改革委員会が同年5月に配属基地名や保有状況などの詳細を公聴会で明らかにするよう再度要求。しかし、海兵隊側が再び拒否したため委員長は公聴会を延期した上で、海兵隊幹部らに召喚を示唆するなどの強硬策を講じた。
下院監査政府改革委員会が委員らに宛てた09年6月19日の書簡には、保有数の大きな差異を懸念点としてあげ、高額な軍用機の数をカウントするというシンプルな作業への回答が困難とする国防総省や海兵隊などの姿勢に疑問を投げかけている。
当時の状況について議会関係者は、本紙の取材に対し、「保有数が不明で公聴会を開くというのはかなり珍しく、議会が独自に調査したなかでは、破損などの報告を避けるため、訓練などでダメージを受けた機を倉庫に保管し、未報告としていたなどという海兵隊員らの情報もあった」などと話した。
上院軍事委員会のマケイン筆頭理事はこれまで、調達数を削減すべき機種にオスプレイをあげるなど厳しい批判を繰り返しており、今回の一連の事故でも議会から厳しい対応を迫られそうだ。
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