「野田さんのまじめさは評価しますが、財務省に折伏(しゃくふく)されているのは残念ですね」との辻井喬さんの言葉。
思わず、いえいえ
真面目なのは「対官僚、対財界」だけで、「対民衆」と言う点では大いに不まじめです、
と突っ込みを入れる。
しかし、辻井さん、そんなことは十分ご存知。
背信の政治家を罵倒するような品のなさをお持ち合わせではないだけのこと、と拝見した。
但し、財務省に折伏されているというご指摘は嬉しい。
さて、「朝日新聞」7月12日付けのインタビュー記事。
全面的に賛成ではないけれど、なかなか読ませる中味なので、抜粋してご紹介。
財界の古タヌキと政界の言いなりタヌキを思い浮かべながら・・・。
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(見出し)
インタビュー 政官業のたそがれ
詩人・作家 辻井喬(堤清二)
政治主導はき違え 支え失った政権 深まる混迷と孤立
財界にも気概なし 55年体制超える 国家観描き直そう
(記事)
「政官業のトライアングル」と言えば、55年体制のあしき象徴である。
でも、官僚、財界人が政治、ひいては戦後の反映を支えてきたことも一面の事実だろう。
その人たちが国家観を失い、機能しなくなったことが、政治の混迷を助長しているのではないか。
文学者、異色の経済人として時代を見つめてきた辻井喬氏に聞いた。
(略)
---・・・財界に対する社会の期待、信頼も損なわれている印象があります。
「最近の財界人は自分の主張がありません。どの政治家を推したら自分の得になるかばかりを考えています。
『日本の国のためにどの政治家がいいかを考えないと、まずいんじゃないか』と言っても、キョトンとするばかりです」
(略)
---野田内閣が進める消費増税はどうですか。
「消費税は上げなきゃなたないと思いますが、景気を考えると、2年ぐらいは時間がほしい。経済の現場と完全に切れていない人間としては、そう思います」
「消費増税が必要だという財務省の考えは正論です。
でも、正論をいつ、どう実現するかは、政治家の領分。政治家が『こうしたい』と命じ、シンクタンクの官僚が答えを出すべきです。
野田さんのまじめさは評価しますが、財務省に折伏(しゃくふく)されているのは残念ですね」
(略)
---その新たな国家観を、政治家や財界人は描けるでしょうか。
「自分は独立国である日本の指導者であるという意識が、政治家に希薄になった。これは恐ろしいし、寂しいことです。
皮肉な言い方をすると、米国の占領政策の偉大な勝利です。『国のことは大事だが、君らはかんがえなくてもいい。米国が面倒みるから』と言われ、受け入れてしまった。
米国と仲良くするのは大事ですが、問題はそのやり方です」
「ただ、だから軍隊を持たないと国家観が生まれない、というのは短絡的です。
国家観のない国の軍隊ほど民衆にとって危険なものはない。
道は細く険しいかもしれませんが、日本は平和憲法とその思想を掲げ、独立国の道を歩むしかありません」
(略)
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以下、ご参考。
万朶の櫻 軍歌「歩兵の本領」 辻井喬の詩「さくら」 ←(コチラ)
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