昨日(7月7日)の「朝日新聞」4面に
「集団的自衛権「解釈変更」を
フロンティア分科会 行使容認を提言」
との見出し。
国家戦略会議フロンティア分科会というところの報告書で、
「憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めるよう求めるなど、首相の持論に沿った内容となった。」
とのこと。
インタネットではREUTERS ロイターが発信している。
国家戦略会議分科会が報告書、「共創の国」づくり提言
2012年 07月 6日 19:31
[東京 6日 ロイター] 国家戦略会議のフロンティア分科会は6日、「あらゆる力を発露し、創造的結合で新たな価値を生み出す『共創の国』づくり」と題する報告書をまとめ、野田佳彦首相に提出した。
報告書は、分科会の下に設けた「叡智」、「繁栄」、「幸福」、「平和」の4つのフロンティア部会での議論を元に作成した。2050年の日本のあるべき姿を「共創の国」として描き、社会の多様な主体が潜在力を最大限に引き出し、創造的結合によって新たな価値を創出する国の姿をイメージした。
こうした国づくりのためには、社会基盤として「交流」、「混合」、「変容」といった力を定着させること、1人当たりの国内総生産(GDP)を継続的に成長させること、「尊厳ある生」を保障すること、互恵的・協調的な経済発展の追求や人間の安全保障推進など能動的な平和主義をとること──などが必要だと指摘。「環太平洋連携協定(TPP)への参加を通じた貿易や投資の自由化・円滑化」(繁栄のフロンティア)に加え、「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直しなどを通じて安全保障協力手段の拡充を図るべき」(平和のフロンティア)などと提言している。
また、2025年までに重点的に進める政策の方向性として、知識と情報を社会や市場につなぐ仕組みの強化や人を財(たから)とする「人財戦略」の国家戦略への位置づけ、規制改革を通じた成長、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化などが重要だと指摘した。
さらに分科会では、こうした施策の実効性を高めるためには国民の意識改革と政治の強いリーダーシップが不可欠だと呼びかけた。
報告書は国家戦略会議に報告され、国家戦略会議がまとめる日本再生戦略の議論の材料となる。野田首相はこの日の会合で「日本再生戦略の中に存分に反映させたい。この報告書が、社会全体において、国づくりに向けた議論の喚起につながることを期待する」と語った。
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概要はココ(PDF)にある。
ざっと読んだけど、
「首相の持論に沿った内容」の報告など、なんの意味もない。
さて、この報告書には、
上の朝日やロイターの情報には出てこない、
もっと危険な中味もある(↓)。
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日本経済新聞
雇用流動化へ[40歳定年を」政府が長期ビジョン
国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)の分科会は6日、国の長期ビジョン「フロンティア構想」の報告書をまとめた。国家の衰退を防ぎ、個人や企業が能力を最大限生かして新たな価値を生む国家像を2050年に実現するための政策を提言。「40歳定年」で雇用を流動化するなど労働生産性を高める改革案を盛り込んだ。
学識者や企業人らで構成するフロンティア分科会(座長・大西隆東大大学院教授)が野田首相に報告した。首相は「社会全体で国づくりの議論が喚起されることを期待する」と述べ、近くまとめる日本再生戦略にも反映する意向を示した。
改革案の柱は雇用分野だ。60歳定年制では企業内に人材が固定化し、産業の新陳代謝を阻害していると指摘。労使が合意すれば、管理職に変わる人が増える40歳での定年制もできる柔軟な雇用ルールを求めた。早期定年を選んだ企業には退職者への定年後1~2年間の所得補償を義務付ける。社員の再教育の支援制度も作る。雇用契約は原則、有期とし、正社員と非正規の区分もなくす。
もっとも定年制の前倒しには労働者の強い反発が必至だ。社内教育で従業員に先行投資する企業側の抵抗も予想される。改革の実現には転職市場や年功型の退職金制度、人材育成などと一体的な検討が必要だ。改革案は長期的な指針で、全て早期に実現を目指すという位置づけではない。
報告書は現状のままでは日本は新興国との競争に敗れ、少子高齢化も進んで50年に「坂を転げ落ちる」と予測。将来の理想は付加価値の高い産業が立地する「共創の国」とした。時間や場所を選んで働けるようになれば仕事と育児を両立できる人が増え、出生率は改善すると見込んでいる。
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