朝日新聞
自主避難への理解
2012年10月10日
「こういう人たちが、県外で風評被害をまき散らしているんです」
県総合計画の見直しで、県が各地で開いている地域懇談会で出た発言だ。総合計画審議会委員の一人が、母子だけで自主避難している人についてそう言い放った。
「経済的にも余裕がある人たちです」「正しい知識をもってもらいたい」
二重生活の出費に耐えられる、という点では「余裕がある」かもしれない。だが、取材した限り、出費を切り詰め、ギリギリの生活を続けている家庭が大半だ。前向きに新天地で暮らす人たちがいる半面、「風評被害をまき散らす」どころか、いじめや嫌がらせを恐れ、
「福島から来た」とも言えず、身を隠すように暮らし、福島を思って涙する。そんな人も多い。
県総合計画は来年度から8年間、復興計画も含めて県の施策の指針となる。この委員がどの程度、見直しにかかわるか知らないが、県は人選をもう少し考えた方がいい。(西村隆次)
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