米歴史家:「国家の圧力」 教科書訂正要求で日本政府批判
毎日新聞 2015年03月03日 12時25分
【ワシントン西田進一郎】旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、日本政府が昨年12月に米国の高校教科書に記述の訂正を求めたことが「国家の圧力」だと批判する米国の歴史学者の声明が2日、米歴史協会の会報(電子版)に掲載された。
米国の一部の高校で使われている「マグロウヒル社」の世界史の教科書は、日本軍が14〜20歳の20万人の女性を強制的に募集、徴用したなどと記述している。日本政府は、「事実誤認や日本政府の立場と相いれない記述がある」として同社に訂正を要求。佐々江賢一郎駐米大使は2月13日の記者会見で要求について「干渉ではなく、事実関係についての注意喚起だ」と説明した。
これに対し、米コネティカット大のアレクシス・ダデン教授ら20人が連名で米歴史協会の会報「歴史の展望」3月号に声明を発表した。「歴史教科書の記述を抑圧しようとする日本政府の最近の試みへの失望」を表明し、「いかなる政府も歴史を検閲する権利を持つべきでない」と訴えた。また、「我々は事実を明らかにしようと取り組んできた日本や他国の多くの歴史学者と共に立ち上がる」としている。
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