2016年5月27日金曜日

小倉遊亀(1895-2000) 『浴女 その一』(1938昭和13年) 『浴女 その二』(1939昭和14年) (国立近代美術館常設展示MOMATコレクション) 2016-05-12

▼小倉遊亀(1895-2000)
『浴女 その一』(1938昭和13年)
女性が描くと裸婦でもエッチな感じがしない。そういう感想が聞こえてきそうですが、そもそも裸婦はエッチに(欲情的、扇情的に)描こうとしなければ、ただの裸の人間にすぎません。
この作品に清潔感があるのは、旧来の入浴図によくうかがわれる窃視趣味やチラリズム、あるいは流し眼やシナ、上気した肌といった細工が仕組まれていないからです。
作者の関心は、タイル張りの湯船に温泉がゆらめいて、縦横の格子模様がゆらゆらとひしゃげる様子にあったといいます。
となりの《浴女 その二》と対になる作品です。


▼小倉遊亀(1895-2000)
『浴女 その二』(1939昭和14年)


参考



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