『朝日新聞』2016-05-22
誤り認める 謝罪より重要 ピーター・カズニック氏(アメリカン大教授)
オバマ氏の広島訪問によって世界の注目が再び核の問題に集まることはよいことだ。(核なき世界を訴えた)プラハ演説と実際の政策は逆行してきた。オバマ氏の核廃絶に向けた具体的な行動の始まりになってほしいと思う。
ただ、ホワイトハウスが広島訪問に際して「原爆投下の判断を再評価しない」というのは驚きはないが、残念だ。私は謝罪があれば歓迎するが、謝罪は何も変えないと思っている。しかし、「原爆投下はどうあっても間違いだ」と言うことは謝罪より重要で、未来を変えると考える。
(略)
原爆投下の判断に触れないことでオバマ氏は国内の批判をかわせるかもしれない。しかし、同時に、真にノーベル平和賞に値する歴史的な機会を逃すことになるだろう。
原爆正当化 「神話」と闘う オリバー・ストーン氏(映画監督)
(略)
オバマ氏は広島へ行って、「原爆投下は軍事的には必要がなかった」と言うべきだと思う。そして、投下を謝罪した上で、平和に関与していくと言えば、オバマ氏の訪問はすばらしいと思う。ただ、大統領は全国民、退役軍人を含め国内のすべての反対意見の観点からも考えないといけない立場にある。(原爆投下は必要がなかったという)発言は、過去の政策、歴代大統領の立場に反することにもなるから、実際に言う可能性はないと思う。
私が知る限り、オバマ氏はとても矛盾がある人だ。高尚なことを言っても、結果が見えない。プラハ演説も政策としての結果がない。ずっと「ミスター・ライト(正しいこと)」でいる代わりに、1時間でも私の作品を見て頭に入れるといい。
(聞き手=杉山正)
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