沖縄タイムス
普天間、辺野古に 安倍氏が表明
2012年12月22日 09時43分
(7時間33分前に更新)
自民党の安倍晋三総裁は21日、山口県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「名護市辺野古に移設する方向で地元の理解を得るため努力したい」と述べ、日米合意に沿った県内移設実現を目指す考えを示した。衆院選挙期間中に辺野古移設への具体的な発言はなく、言及したのは選挙後初めて。これに対して県は、辺野古移設へ向けた埋め立て承認申請の可能性が現実味を帯びてきたことに、警戒心を強めている。自民党は衆院選公約で普天間飛行場の移設先を明記せず、県内の同党候補は4人全員が県外・国外移設を訴えて当選した。衆院選直後の「県内」表明に、地元の反発は必至だ。
安倍氏は、かつての自身の政権でも辺野古移設を推進した経緯を説明。「民主党政権の迷走で、沖縄の皆さんの気持ちが裏切られた」と強調した。その上で「まだ政権に戻ってないので詳細なことは分からないが、基本的に辺野古に移設していくという方向で地元の理解を得るために努力していきたい」と述べた。
県の又吉進知事公室長は「従来の基本姿勢を述べただけで驚くに当たらない」と冷静に受け止めた。ただ、次期首相が確実の同氏があらためて辺野古を強調したことで、早期の埋め立て申請の可能性が現実味を帯びてきたことには「(仮に)そんな乱暴なことをしたら、県民の反発を招き移設計画自体が終わるだろう」と強く反発。「知事の県外移設方針に変わりはない。安倍氏も首相としての手腕と度量を県民のために発揮してほしい」と県外移設に取り組むよう求めた。
普天間飛行場に関して、自民党は衆院選向けの政策集で「固定化に対する沖縄の懸念を払拭(ふっしょく)し、新たな負担を被る関係自治体に特別な配慮・施策を講じる」としたものの、具体的な移設先には触れなかった。
石破茂幹事長はこれに関連して20日、仲井真弘多知事との会談で「党県連や県とよく相談して進めたい」と地元の意向を踏まえて対応する方針を強調。仲井真知事は21日の会見で「滑走路が既にある飛行場を見つけて、そこへ持って行くことが当然」と述べていた。
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