2014年11月7日金曜日

追加緩和は日銀のメンツ重視、早目に国債買い入れ縮小を=元日銀理事 (ロイター)

ロイター
追加緩和は日銀のメンツ重視、早目に国債買い入れ縮小を=元日銀理事
2014年 11月 6日 20:27

[東京 6日 ロイター] - 富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川英男・元日銀理事は6日に開いた記者向け勉強会で、日銀が10月31日に実施した追加金融緩和について、2%の物価目標を2年程度で達成するとのメンツにこだわった政策と批判した。

日本の潜在成長率の低下や膨大な財政赤字という現実のもとでは、「物価2%だけを先に達成するのはまずい」とし、長期金利の急騰リスクの回避には早目に国債買い入れを縮小すべきと提唱した。

早川氏は、日銀が昨年4月に導入した量的・質的金融緩和(QQE)はギャンブルだったとしながらも、物価2%には達していないが「デフレ脱却を実現した」とし、これまでのところ「賭けに勝っている」と評価した。

もっとも、デフレから脱却しても成長率は高まらず、むしろ潜在成長率が低下している中で、物価は上がりやすい環境にある。早川氏は今回の追加緩和で円安が進行するなど、2%の物価目標の達成を早める可能性はあるとしながらも、「財政健全化も潜在成長率の底上げも実現しないまま、2%のインフレだけが達成され、日銀の国債大量買い入れがストップするなら、そのリスクは極めて大きい」と警告。物価目標の達成を急ぐ必要はないとの見解を示した。

2%程度の物価が安定的に持続するまで量的・質的金融緩和(QQE)を続けるとの、現行の日銀のコミットメントのもとでは「物価2%到達から利上げまでに相当の時間がかかり、その間に金利がオーバーシュートする可能性がある」とも指摘し、長期金利の急騰を回避するには「国債購入縮小を早目に行い、低金利継続のフォワードガイダンスに切り替えるべき」と主張。デフレから脱却して物価がプラスの領域にある中では「低金利を長く続けるというコミットメントだけでも緩和効果がある」とし、「日銀は勝ち逃げすべき」と語った。

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