2015年12月10日木曜日

「マザー・アンゲラ」―在任10年、メルケル独首相の歩み 写真5枚 国際ニュース:AFPBB ; プロテスタントの牧師の娘として生まれ、「鉄のカーテン」の向こう側で育ったアンゲラ・ドロテア・カスナーが、統一後のドイツ首相に就任し世界最大の影響力を持つ女性と目されるようになるまでには、波乱万丈の道のりがあった


【12月10日 AFP】プロテスタントの牧師の娘として生まれ、「鉄のカーテン(Iron Curtain)」の向こう側で育ったアンゲラ・ドロテア・カスナー(Angela Dorothea Kasner)が、統一後のドイツ首相に就任し世界最大の影響力を持つ女性と目されるようになるまでには、波乱万丈の道のりがあった――。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(61)には今日、さまざまなニックネームが付けられている。ユーロ圏では「謹厳な尼僧」とやゆされてきたが、必死の思いで欧州を目指す難民からは「メルケルママ」と慕われ、英経済誌エコノミスト(Economist)からは「必要不可欠な欧州人」と評されている。

(略)

 債務問題に苦しむギリシャに対してかたくなな態度を貫いたことから、ナチス・ドイツ(Nazis)の制服を着た風刺画が出回ったメルケル氏だったが、その一方、難民問題では人々の人間性と、欧州連合(EU)の他の加盟国の連帯感に訴える嘆願をしてみせた。

 独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は同氏をマザー・テレサ(Mother Teresa)になぞらえ、尼僧の服をまとった「マザー・アンゲラ」のイラストを掲載した。

 移民流入をめぐる国内からの批判に対してメルケル氏は、「緊急事態に直面し、親切心を表すことに対して謝罪が求められるようになったら、それは私の国ではない」と切り捨てた。

 週刊紙ディー・ツァイト(Die Zeit)はメルケル氏のこの門戸開放策について、「任期中で最も度肝を抜く、最も思い切った」決断だったと言えるかもしれないと指摘している。(c)AFP/Frank ZELLER


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