葛飾北斎 『富嶽三十六景 山下白雨(さんかはくう)』 70代 富士に込めた人生哲学
「美の巨人たち」2016-04-16 メモ
■浮世絵史上の傑作、葛飾北斎「富嶽三十六景」
■中でも人気の高い「三役」と呼ばれる三枚
■「凱風快晴」(赤富士)と「山下白雨」(黒富士)
どこで描かれたか不明
人も描かれていない
■「山下白雨(さんかはくう)」
白雨は、夏の夕立のこと
地上近くには暗雲が立ち込め、切り裂くように稲光走っている
■赤富士、黒富士はどこから描かれたのか?
■赤富士
①朝日を浴びた富士山が見える場所:山梨県側から見た富士山
②山頂がほぼ平らに見える場所
③稜線の勾配が右のほうがきつく見える場所:富士山の北東にある三ツ峠(標高1785m)
三ツ峠から見た富士山の高さを誇張して描いた
高さを倍にしたシミュレーションと赤富士はほぼ一致
■次に「山下白雨」(黒富士)はどうか?
古来より富士山は慈しみの対象で、日本人の精神の象徴と言われてきた
が、「山下白雨」にはそういう感じはない
稲光がもう一つの主題になっており、
北斎は稲光も美しいと思っている
では、タイトルにもなっている「雨」が描かれていないのは何故か?
①山頂の剣ヶ峰が中央に見える
②南西側、静岡県の白糸の滝
但し、白糸の滝からは御坂山地は見えない
北斎は自分を上空2500mにおき、見下ろす富士山を想像して描いた
上空2500mからは御坂山地は見える
しかし、その高さからは雨は見えない
0 件のコメント:
コメントを投稿