<説明パネル>
渡辺幽香(ゆうこう、1856-1942)
『幼児図』(1893 明治26)
渡辺幽香は、父五姓田芳柳(ほうりゅう)、兄義松や、夫渡辺文三郎らとともに、明治初期洋画の画派のひとつであった五姓田派の画家の一人である。
この作品は、明治26年にシカゴで開催された世界コロンブス博覧会の婦人館に出品された。
近世初期の武将福島正則(幼名市松)の幼児期の逸話に取材したもので、画中の木片は正則の生家が桶屋であったとする俗説を暗示する。
像主がだれであれ、強健な日本の嬰児を描いたこの作品は、万国博覧会の婦人館への出品にふさわしかったに違いない。
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