共同通信社
関電、需要ピーク時も原発不要 今夏、大飯再稼働に疑問
関西電力管内でこの夏(7~8月)の最大電力需要となった8月3日は、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働していなくても、他の電力会社から融通すれば十分に供給できたことが、共同通信の分析で31日、分かった。
政府と関電は「再稼働しないと大幅な電力不足になる」として再稼働させたが、当初から政府の需給見通しを疑問視する声は強かった。再稼働は必要ないと反対する声が多い中、「私の責任で判断した」と強調した野田佳彦首相への批判も高まりそうだ。
関電によると、最大需要は8月3日の2682万キロワット。この日の供給力は、大飯原発3、4号機の計237万キロワットを含む計2991万キロワットだった。
供給が需要を309万キロワット上回っていたが、関電は「大飯原発がなければ、火力発電所のトラブルや気温の急な上昇があった場合に需給が非常に厳しくなっただろう。不測の事態が重なることもあり、安定供給のために再稼働は必要不可欠だった」とする。
だが周波数が関電と同じ60ヘルツで電力を融通しやすい中部電力以西の電力5社への取材で、この日の供給余力が計約670万キロワットあったことが判明。2基が稼働していなくても、供給力に問題ない状況だった。
(2012年8月31日)
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