2013年6月6日木曜日

読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 「買春は必要=常識」の非常識(毎日新聞) 飛田新地料理組合の事務所で茶髪の弁護士の写真を見つけるハナシ。


毎日JP
読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 「買春は必要=常識」の非常識
毎日新聞 2013年05月28日 東京夕刊

 *4月30日〜5月27日

 ■さいごの色街 飛田(井上理津子・2011年)筑摩書房

 ■彼女たちの売春(ワリキリ)(荻上チキ・2013年)扶桑社

 ■アダチャ稼業(今井COCO・2007年)イプシロン出版企画

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 橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の「風俗」発言が波紋を呼んでいる。

 この5月、沖縄の米軍普天間飛行場を訪ねたとき、現地の司令官に「風俗業を活用してほしい」と発言し、相手は固まったという。米軍側から「我々は兵士にそういうことは禁じている」とまったく相手にされない状況に直面して、日米の文化の違いにその理由を帰した。それなら「兵士に買春が必要だ」ということを、「日本の常識」として世界に示したことになる。その後、発言を撤回、わびたとしても公党の代表として恥さらしというほかない。記者団に「ホンネで話そう」と言ってオヤジの下半身をタテにとったようだが、自民党のオジサマ方からさえ、顔をしかめられた。

 橋下発言の背景が、よくわかる本を読んだ。井上理津子「さいごの色街 飛田(とびた)」。・・・(中略)・・・

 そのなかに、飛田新地料理組合の事務所で「組合長と茶髪の弁護士が二人でにっこり笑顔で写っている写真」を発見する場面がある。組合の顧問弁護士をしていた時代の橋下市長だという。組合の幹部によれば「男に、必ずはけ口が要るのは今も昔も同じ」。なるほど。これが橋下発言の背後にある「常識」なのか。売防法以前の「常識」、今日では非常識である。

(後略)

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