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「生活保護の辞退届記入させた」 大和郡山の女性、市を提訴
2013.6.6 07:00
奈良県大和郡山市の職員が生活保護を受給していた女性(47)の20代の次女に書類名を隠したまま生活保護の辞退届を記入させたとして、女性が市を相手取り、慰謝料150万円の支払いを求めて奈良地裁に提訴していたことが5日、分かった。女性は再申請が認められるまで3年近く、支給が打ち切られていたという。
訴状などによると、次女は平成19年3月、市厚生福祉課に保護費を受け取りに訪れた際、職員に別室へ通され、辞退届と知らされないまま、書類に女性の名前を記入、押印させられたとしている。
次女は職員3人に囲まれ、「(長男の)弟さんが高校を卒業して自立できるんですよね。だから書いてください」と言われたため、弟を受給対象から外す書類と思いこみ、理由の欄に「自立生活をする為」と記入。書類名は別の紙や男性職員の腕で隠れていた。
翌4月から支給が打ち切られたため、女性は市に抗議したが、市側は「すでに決まったこと」と再開を拒否。女性は再申請して支給が再開される22年1月までの間、長男らから仕送りを受けてなんとか生活したが、医療扶助もなくなったため、持病の治療も断念したという。
女性は次女の筆跡を確認するため、19年6月、市に辞退届の開示を請求したが、市は「請求者以外の個人情報が含まれている」などとして拒否。弁護士と相談して今年2月、再度開示請求したところ、一転して全面開示された。
女性は「次女は自分のせいで母親が苦しんだとショックを受けている。職員には不信感しかない」と話している。
市厚生福祉課は「弁護士と対応を検討しており、コメントは差し控えたい」としている。
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