【訃報】なだいなださんが亡くなりました。享年83歳。偶然なのでしょうが、なだいなださんは6月8日がお誕生日でした。最後に書かれた文章は、自身のHPに連載しているコラム「打てば響く」で、5月28日付でアベノミクスを批判しています→ bit.ly/Uias3u
— きっこさん (@kikko_no_blog) 2013年6月9日打てば響く 2013年
5月28日
最近の株の暴落。アベノミックスとやらの円安政策に騙されるものも、はじめは多いだろう。しかし、こんな人工的な手段(坊ちゃんたちの考え付きそうな)では、デフレ脱却とやらはできない、とぼくは睨んでいました。『婦人之友』にそのことを書いておきました。
株屋たちが、それをはやして株価を吊り上げていましたが、もうけを得るのは、この辺が限度と考えたのでしょう。それが今度の暴落になったとぼくは見ます。
日本の株でもうけているのは日本の株屋ばかりではありません。儲けを狙う世界中の株の相場師・投機家なども、こういう機会を逃さない。かれらは、ナショナリズムには関係ありませんから、もうけられるのは、これが限度かなあと思えばさっさと手を引く。
そして数か月の浮いた気分も、もう終わりでしょう。日本のマスコミは昔から、どちらかというと政府寄りで、アベノミックスの提灯を持ってきましたが、いまごろ、この騒ぎで一番儲けたのが相場師や投機家で、損をしたのが、これから円安の付けを、諸物価値上げの形で、払わせられる日本の庶民だと気が付いているでしょうか。
でも、株暴落が、参議院選挙の前であったことが、唯一の救いです。
一方で、アメリカに勇ましくケンカを売った維新の会の橋下が、あっけなく降参してしまったのは意外でした。次号のちくまに、少しは頑張るだろうと、見込みを書いてやったのに。ちょっとがっかりでした。維新の会の議員たちが、選挙のために、謝らせたのでしょう。しかし、タイミングが良くない(かれらにとってです)。維新の会の勢いはもうこれで終わりでしょう。つまりかれらも終わり。
現在まで、ひたすら選挙の利害で結びついていた自民・公明の連合ですが、改憲に消極的な公明とは選挙が終わるまで付き合い、あとは維新の会とくっつこうか、とひそかに考えていた自民党の黒幕も、この維新の会の自滅は計算外だったのではないかなあ。
こうして自民の勢いが落ちてきたのに、それに付け込むことのできる野党がいない。野党連合を作る知恵者がいない。つまりは、少しばかり知恵の深い政治家が野党にいないということ。本当に政治家日照りですな。
ぼくは、がんとの付き合いで、なんとか頑張っていますが、白状すると、ちょっときつい。
がんの告知は、本人に、自分の残りの人生を計画させるためには都合がいい。ぼくはその恩恵を受けている。しかし、父、夫が次第に死に近づくということを知らされた近親の者たちには、この告知は、かなりな苦痛を与えている。そのことなど知ったこっちゃない、自分のことで頭はいっぱいだ、といっていられないのが、精神科医である本人。精神科医の同僚たちよ、告知のこうした一面
の研究をしてくれないだろうか。それがぼくの今の気持ちだ。
【なだいなだ氏死去、鋭い文明考察とユーモア】yomiuri.co.jp/national/cultu… 雑誌「ちくま」で、二度目の癌告知をされたから、残りの人生、書きたいことを書く、と宣言されたばかり。癌と共存して、舌鋒鋭く日本を切りまくってほしかった。日本は優れたストッパーを失った。残念
— 寮美千子さん (@ryomichico) 2013年6月9日【なだいなだ氏死去、鋭い文明考察とユーモア】yomiuri.co.jp/national/cultu… 筆名の「なだいなだ」は、スペイン語で「無と無」を意味すると、この記事で初めて知った。おかしいことをおかしいと感じ、発言できる、日本には数少ないまっとうな言論人だった。合掌。
— 寮美千子さん (@ryomichico) 2013年6月9日なだいなださんが亡くなった。悲しい。くやしい。もう少し生きてほしかった。「ちくま」の三月号に書かれた「〝賢い国〟というスローガン」という原稿はすばらしかった。自民のスローガン「強い国」に対抗するにはこれしかない、という主張に鬼気迫るものがあった。ご冥福を。でも、くやしい。
— 天野祐吉さん (@yukichiamano) 2013年6月9日
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