東京 北の丸公園(2011-11-18)
*明治36年(1903)
6月18日
・内田康哉駐清公使、奉天・大東溝の開放を清国に促す。
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6月19日
・台湾、日本の植民地支配に反発する住民が蜂起、宜蘭庁の樟脳製造所を襲撃
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6月19日
・幸徳秋水「開戦論の流行」(「万朝報」)。
非戦論。愛国心過熱批判。
東大7博士に関して、「いたずらに流行に雷同し、人心の煽動につとめるのは、吾人のふかく遺憾とするところ」と健康な社会理性の回復を論説。
「兵は凶器である。戦争は罪悪である。多数生民の平和と進歩と幸福とを愛する者は、あくまでもこれに反対しなければならぬ。日清戦争の結果が、いかにわが国民に多大の苦痛と腐敗を与えたかを見る者は、あくまでもこれに反対しなければならぬ」
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6月19日
・イギリス、第6回シオニスト会議。スイス・バーセル。
ユダヤ人の祖国をウガンダにする提案。会議参加者の間で意見衝突。
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6月19日
・上海愛国学社、中国教育会離脱。
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6月22日
・参謀総長大山元帥「朝鮮問題解決に関する意見書」上奏。
朝鮮を守るため満州のロシア軍駆逐。
参謀本部次長田村怡与造少将が策案。
軍令部は伊東大将はじめ全員賛成、海相山本権兵衛は戦備未然のままの開戦に反対。
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6月22日
・山本周五郎、誕生。
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6月23日
・御前会議、小村外相、「対露交渉意見書」説明。
満韓問題につき対露交渉開始決定。
政府から桂首相、小村外相、山本海相、寺内陸相、元老として伊藤博文、山縣有朋、大山参謀総長、松方正義、井上馨の計9人が出席。
但し、「韓国ノ領土ハ其ノ一部タリトモ、如何ナル事情アルニ拘ラズ、露国ニ譲与セザルコト」と談判方針に明記。
「開戦決意ノ誓約」と言われるもので、4月21日「無隣庵」決議の再確認。
小村外相は、「対露交渉意見書」により満州・韓国問題について「直接ノ交渉ヲ試ミ以テ時局ノ解決」を図る、と述べる。
「今日ハ既ニ其ノ機熟シタリト云フベク、若シ今日ヲ空過セバ……大局己ニ去リテ憾(うらみ)ヲ万世ニ胎(のこ)スニ至ラン」
外相は、「満韓交換」方式を基礎とする交渉を提案して、全員の諒解を得る。
談判要領についても、開催地を東京にすることのほかに、
「満州ニ於テハ、露国既ニ優勢ノ位置ニ在ルヲ以テ、多少之ニ譲歩スルコト」
という一項がつけ加えられる。
しかし、「意見書」には以下の文言もあり、「無隣庵」決議の再確認、「開戦決意ノ誓約」と云える。
「露国ヲシテ之ヲ承諾セシメンコトハ極メテ難事卜思考スルニ付、一旦之ヲ提議スル以上、万難ヲ排シ飽ク迄我ガ目的ヲ貫徹スルノ決心ヲ以テ着手スルコト、最モ肝要ナリト思惟ス」
談判方針として、
「一、露国ガ約ニ背キ満州殊ニ遼東ヨリ兵ヲ撤セザルニ就テハ、此ノ機ヲ利用シ、数年来解決シ能ハザリシ韓国問題ヲ解決スルコト。
一、此ノ問題ヲ解決スルニ当り、韓国ノ領土ハ其ノ一部タリトモ、如何ナル事情アルニ拘ラズ、露国ニ譲与セザルコト」
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6月23日
・(露暦6/10)ロシア、工場スターロスタ法、公布。
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6月24日
・桂首相、官邸に伊藤・山県元老を招き海相山本権兵衛を立会人にして、対露交渉の大役を果たせないとして辞意表明、2人のどちらかに首相を引きうけて貰いたいと提案(桂の奇襲)。
両元老共に反対。
25日、閣議、全員辞意固める。
7月1日、桂首相、辞表奉呈。
公表されず後継など秘密裡に進行。桂は病気を理由に葉山の別荘に篭る。
2日、天皇、辞表を却下。伊藤元老の「二役」(元老で政友会総裁)解消についての宮内大臣田中光顕の「一案」が、伊藤以外の元老間で決定、桂内閣存続・桂内閣で日露戦争を乗切る合意成立。
「一案」:
伊藤元老を枢密院議長に就任させ、政党から「足を洗わせる」
(政党関係者は枢密院に入れないという内規)。
伊藤の棚上げ工作。
事前に山縣を通じて伊藤を政友会から外すよう天皇に工作。
山縣は政党内閣に反対、元老の政党総裁就任にも反対のため桂の工作に乗る。
しかし、桂にとって対伊藤のための山縣の存在意義、伊藤を外した後は山縣も必要なくなりその影響力も減退する。
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6月28日
・閣議、潮汕(広東省汕頭から潮州)鉄道に、個人名義で70万円の出費を決定。
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6月29日
・中国、『蘇報』事件。
章炳麟、鄒容ら『蘇報』で排満革命を主張したため上海で捕らえられる。愛国学社閉鎖。
清朝は引渡しを要求するが、租界当局は拒否、会審公堂で裁判。
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6月29日
・池辺三山、密かに元老山県に手紙、開戦策を訴える。
御前会議で決定した日露協商談判の方針はかえって日本を危地に陥れることになりかねない、ロシアが旅順に軍備整備を行っている今日、閣下の猛断勇快によって元老や政府を動かしてほしい、という。
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6月29日
・滝廉太郎(25)、没。
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6月30日
・内村鑑三「戦争廃止論」(「万朝報」)
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