「朝日新聞」の連載で、
「大阪府教育基本条例 続 私はこう考える」という欄がある。
最終回の今日(2月5日)は、舞台美術家・エッセイストの妹尾河童さん。
妹尾さんはかつて、自伝的小説「少年H」で、少年時代に経験した軍国主義日本が戦争に突入する頃の様子を描いた。
以下、妹尾さんの発言の概要。
****************************************(始)
(略)
大阪の教育基本条例案には「首長るが決めた教育目標に協力しない教育委員はクビにできる」というふうに書いてありますよね。
つまり首長に反対する者は認めないと言っている。
「これはヤバイな」と思った。
あの頃に通じるものがあると感じたからです。
(略)
条例案には、学校も先生も子どもも、規格枠の箱に入れて同じ向きに並べ、少しの凸凹も許さないという思いが感じられます。
僕が過ごした少年時代と、条例の根っこの部分はよく似ていると思うんです。
(略)
「過去の歴史は、未来への予言」とも言います。
「あれは昔のこと」と安心できません。
どの国の政治家も、人々が納得しそうなことを言います。
でもそれが変化しないか注意が必要です。
大阪の人は、橋下さんの歯切れのよさに拍手し、支持しているかもしれませんが、予期せぬ方向に流れが変わったら、簡単にはふさぎ止められませんよ。
(略)
僕の両親はクリスチャンでした。
戦争中は宗教関係者も取り締まりの対象になったので、僕は「踏み絵を踏まされるの?」と心配しました。
父親が「踏んでもええんや。信仰は自分の心の中で守ればええ」と言っていたのを大阪の動きを見ていて思い出しました。
条例が通れば教師は従わざるを得ないでしょう。
でも子どもたちの個性や好奇心の芽を摘まないように守り育ててほしい。
(聞き手・西見誠一)=終わり
****************************************(終)
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この条例によって、
教員の中から不幸な目に陥る人たちがたくさん出てくるように思う。
条例に反対する教員の皆さんには、
「踏んでもええんや。信仰は自分の心の中で守ればええ」くらいの気持ちで向かっていって欲しい、
と思う。
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