10月28日「朝日新聞」に掲載されていた、漫画家萩尾望都さんのインタビュー記事。
萩尾さんは、
「私の漫画は、ちょっと現実から遊離した不思議なことを追いかける、という内容が多く、社会問題を扱ったことはほとんどありません。」
と前置きして、
「でもいま」「やむにやまれぬ」気持ちから、二つの作品を発表したという。
一つは、
「津波で祖母を失い、原発事故で住んでいた土地から離れたフクシマの少女の物語」である
「なのはな」(雑誌「月刊フラワーズ」8月号)。
もう一つは、
「「なのはな」の創作中に思いついたのが、フラワーズ10月号に掲載した「プルート夫人」です。
放射性物質プルトニウが絶世の美女「プルート夫人」となって現れ、彼女を裁こうとする人々に対して自己弁護する、というブラックコメディーです。」
(12年2月には続編を掲載予定)
そして、
「先日、原子力安全委員会の斑目春樹委員長がテレビに出て、
「3月11日以降のことが全部取り消せるんだったら、私は何を捨ててもかまいません」
と遠い目をして話されていました。
愛するプルート夫人に裏切られた男性のように見えました。
あるいは、愛して育てたのに思春期になった子どもが親に反抗して、「まさか」と、ぼうぜんとする父親のようでした。
あの事故は、「原発」という子どもが「もっときちんと地震や津波に備えて育ててくれれば、私はこうはならなかった!」と、親である人間たちを責め立てているふうにも思えました。
「百%安心。事故は絶対に無い」と思われていた子どもの反乱の可能性をシビアに考慮していれば、もっと効果的な対策を講じられていたでしょう。
今さらですが、原発について反省し再考したいです。」
と、締めくくる。
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