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東日本大震災:福島第1原発事故 「危険説明なし」95%超−−協力会社従業員調査
毎日新聞 2012年07月06日 東京朝刊
国会事故調は5日、東日本大震災が起きた昨年3月11日、東京電力福島第1原発で働いていた東電と協力会社の従業員を対象にしたアンケート結果を公表した。震災当日、作業した人に原子炉が危険な状況だと知らされていたか聞いたところ、東電社員の47%が「説明があった」と回答。元請けや1次請けなど協力会社の95〜98%は「説明はなかった」と答え、情報伝達の問題を浮き彫りにした。
アンケートは今年4〜5月、調査に応じた企業の計約5500人に郵送。2415人から回答を得た。内訳は、▽東電414人▽元請け622人▽1次請け以下1253人▽その他・不明126人。
事故の発生時には対応するよう事前に説明を受けていたかどうか尋ねたところ、東電の社員は67%が「説明があった」と回答した。元請けの90%、1次請け以下の89%は「説明はなかった」と答えた。
実際に事故に対応することに同意したかどうかについては、東電で28%、元請けで44%、1次請け以下で38%の従業員が「同意していなかったが従事せざるを得なかった」と答えた。【西田進一郎】
しんぶん赤旗
津波くる情報 全電源の喪失 作業員に知らせず
3・11事故直後
5日、東京電力福島第1原発事故の報告書を公表した国会の事故調査委員会は報告書本編と合わせて、昨年3月11日に同原発に働いていた東京電力と関連会社の従業員2415人に対して、避難など情報伝達、作業環境などに関するアンケート調査結果を紹介しています。
それによると、3月11日時点で、避難せずに残った関連会社の従業員に対して、原子炉が危険な状態であるという説明はほとんどなされなかったといいます。東電の従業員は、避難した人の8%、残った人の47%が説明を受けていました。
東電の元請けの従業員はアンケートに対して「われわれ末端の作業員には、全交流電源を喪失という情報などは全く流れてこなかった。20キロ圏内に緊急的な避難指示が出ていることすらテレビの情報から得た」と答えています。
また1次下請けの従業員は「当日、1号機の中で仕事をしていました。地震があり、外へ出ようとしましたが、人が多くて出られず、敷地へ出ても2時間出られず、その間津波がありましたが、津波があったという放送などはなく、今思えばとてもこわい話です」と述べています。
事故収束の作業に関わった従業員の多くが、事故発生時に作業に従事することを事前に説明されず、また同意なく従事せざるを得なかった従業員もいたといいます。とくに元請け、1次下請け以下の従業員の約90%は事前の備えがなく、事故対応に従事しています。
事故収束の作業では、線量計の不足など放射線の被ばく管理に問題があったとする声が多数寄せられたといいます。
東電の社員は「免震重要棟の線量も高かった。しかし、なすすべがなく、頭の中で自分の被ばく線量を試算するしかなかった。内部被ばくは明らかだった。何の援助も外から得られず、福島第1発電所は完全に孤立し、見捨てられたと思った」といい、別の社員は「働く職員に対して具体的な放射線量が示されず、常に身の危険を感じていた」といいます。
MSN産経ニュース
避難住民の8割が「当日に発生知らなかった」 国会事故調
2012.7.5 22:49
国会事故調では、東京電力福島第1原発事故の避難住民約1万世帯から回答を得たアンケート結果も公表した。8割が原発事故の当日に発生を知らないなど、政府の避難指示の混乱ぶりが浮き彫りになった。報告書は政府の対応を非難し、「混乱を極めた避難の状況や現在の困窮が感じられた」としている。
調査は今年3~4月に避難指示が出された12市町村の住民約2万1千世帯を対象に実施した。
政府は事故当日の昨年3月11日午後7時3分に緊急事態宣言を発令。この時点で事故発生を知っていたのは1割未満で、翌12日午前5時44分に半径10キロ圏内に避難指示を出す頃に2割ほどになった。午後6時25分に20キロ圏に拡大した時点では、浪江、双葉、大熊町など原発隣接自治体では8割以上が知るようになったものの、原発から離れた飯舘村などの住民は、この時点でも5割に満たなかった。
また、事故後1年間で6回以上避難した住民は浪江町で32%、双葉町で29%とおよそ3割に達したのをはじめ、大熊、楢葉、富岡、広野町でも20%を超えた。この6町では4回以上避難した住民の割合も6割以上にのぼっている。
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国会事故調査報告書の要旨はコチラ
国会事故調、地震による損傷の可能性を指摘 津波だけに限定すべきではないと指摘
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